詰将棋のルール



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(一部修正 2008.9.6)

申し訳ありませんが、ここでのルール説明は「すでに将棋のルールをご存知」という前提で記述させて頂きます。
ここに記述するのば、正規の「詰将棋ルール」ではありません。現在運用されている規定をある程度、簡略化したものです。

  1. 一般的な入門書の場合

    普通の書店で購入できる詰将棋問題集には、「詰将棋のルール」として、おおむね次のようなことが書かれています。
    たいていの場合は、これで間違いではありません。しかし、説明に不足があったり、不用意な言葉を使っていて、いくつかの誤解を生じている場合があります。
    たとえば、「攻方の持駒を消費させる方に逃げる」とすべきところ、「持駒が余る手順は不正解」と書かれているものがあります。これは誤解のもとです。「駒が余る方に逃げたら、詰めてはいけない」とも考えられます。この規定は、いろいろな逃げ方を比較して「正解手順がどれか」を考えるときだけ有効です。なお、この規定には「攻方は、できるだけ持駒が余るように攻める」(=それが可能であれば、作者が意図した手順ではない)を加えておいた方が、明確だといえます。
    また「攻方は最短」と書かれていることがあります。しかし例えば、正解手順の最後の3手で、5手で詰める別の攻撃手順があるときは、5手で詰めても不正解ではありません。これは、出題図の欠陥で「余詰」(よづめ:作者が意図する手順と別の攻撃手順で詰んでしまうこと)です。
    この項目が適用できるのは、例えば「9手詰の詰将棋で、受方が逃げ間違えて7手で詰んでしまう手順があり、この手順の中で更に攻方が別の手を指して11手で詰めてしまった」とというようなときに適用されます(変化別詰といいます)。また、最後の1手で別の詰め手順があるとき、これは厳密には余詰ですが、最後の1手に限って不問とするのが一般的です(3手詰などは別ですが)。

  2. 「作る人」のルール

    詰将棋を作る人の側のルール、つまり「作ったものが詰将棋であるものの要件」ですが、これはおおむね、「解く人のルールに従って、正解手順が1通りになるもの」といえます。つまり、作者が用意する正解手順(「作意手順」または「作意」)に対して、攻方が別の攻撃手順を選択すると、受方がうまく逃げて詰めることができない、そして受方が別の手で逃げると、攻方がうまく攻めて作意より短い手数(または同手数でも持駒残り)で詰めることができるの双方を満足することがベストです。
    「ベスト」と書いたのは、そうでなくても「許せる範囲」というものが存在するからです。

  3. 許せる範囲(ただしマイナスポイント)

    1手だけ別の手を指しても、その後は作意手順と同様に詰める他にないとき、単に「非限定」として認められます。減点事項ではあります。
    飛角香を「この地点以上遠くならば、どこに打っても良い」という非限定(「以遠打」=いえんだ)があります。これは良く生じるもので、非限定の中では軽度と考えられます。
    作意手順で駒を成るべきところ、不成としてもその後の手順に影響がない場合があります。これもあまり重傷ではありません。ただし、不成とすべきところ成でも詰んでしまうのはいけません。
    1箇所で複数の駒を交換したりする場合、どの順番で取っても良いことがあります。ちょっと重傷気味です。
    別の箇所の指し手の順序を入れ替えても、その他は作意手順と同じように詰んでしまうとき、手順前後といいます。相当な重傷です。

    非限定以外にも許容範囲はあります。
    受方が選択で生じる別手順で、どうしても作意手順と同手数、しかも持駒を全部使う以外に詰めることができない場合、変化同手数(略して「変同」=へんどう)といいます。これは許容範囲です。一般に評価上のマイナス事項とされます。ただし、最後の2手については、普通は言及されません。
    同様に、どうしても「作意より2手長く、持駒が残る手順」でしか詰めることができない場合、これを変化長手数(「変長」=へんちょう)といいます。許容範囲ですが、一般に大きなマイナス事項とされます。出題不適とする意見もあります。

  4. 採点する人のルール

    解く人のルールは、すなわち採点する人のルールで「正解としなければいけない」ことをすれば良いので、ここでは採点する人のルールを書くことにします。
    まず、作意手順の解答は、当然ですが正解にしなくてはいけません。
    また、変同や変長を解答した場合も、正解にしなくてはいけません。
    非限定箇所は、そのうちのどれかの手を解答すれば正解です。
    問題は、出題図に大きな欠陥があった場合です。
    「詰みます」と出題して、実は詰まなかった(不詰=ふづめ)という場合、解答した人を全員正解扱いにしなくてはいけません。
    余詰があった場合、余詰手順の解答は正解にしなくてはいけません。余詰手順の解答は作意手順の解答ほど厳密である必要はなく、一般に作意手順からの分岐部分を示していれば正解とします。また、最後の1手に余詰がある場合も、余詰手順は正解にします。

  5. その他

    その他は、「将棋のルールに準じる」としますが、千日手や持将棋のルールを適用することはできません。
    「表示されていない駒は受方の持駒」については、当然ですが平手戦を仮定します。玉が1つしか表示されていない場合、他方の玉は攻方・受方いずれの駒でもありません。

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